文化祭企画作品集7−詳細記事001


文化発表会で作ったクジラは1.5m×50m(×0.0125mm)の園芸用ポリエチレンを購入して作りました。
  1. 長さ50mの園芸用ポリエチレンを16.6mずつに切って(3等分)、さらにそれをつなぎます。
    これで16.6m×4.5mの一枚もののポリ風呂敷が完成します。

  2. 1枚になったポリを半分にたたんで、その上にマジックインキ(ポリが黒だったので白のインキの方がベター)でクジラの形を描きこみます。(立体化するとどのようにふくらむか想像ができなかったので、複雑に考えずに平面的にフリーハンドで描きました)

  3. マジックインキの線に沿って、セロハンテープを貼ります。(マジックで描くのも、セロハンテープを貼るのも上になったポリエチレンだけです。下になったポリエチレンは敷いておくだけです。)

  4. セロハンテープに沿ってシーラーをあてていけば袋状にできあがります。(床面に注意)
    但し、口の部分は別のポリを当てるので接合しません。

  5. ポリエチレンの接合が済んだら、いらない部分(セロテープの外側)をハサミで切り離します。ここで、縫い物の袋作りの要領で袋の内と外をひっくり返すと仕上がりがきれいになります。

  6. クジラ本体とは別に、白のポリで「口(歯?)」を作り本体と接合すれば概ねできあがりです。

  7. さらに別の黒ポリ袋で「ヒレ」を作ります。(これを胴体と同じ風船の一部になるように、つまりこの部分からの空気漏れがないように接合する作業はかなり難しい作業でした。・・・・経験からいうと、ヒレは外から胴体につけるだけのパーツにした方がいいか思います)

  8. 最後に空気の吹き込み口が必要です。これも黒のポリ袋を使って筒状のものを作ります。
    筒の径は扇風機サイズにしましたが、本当は布団乾燥機のパイプサイズくらいが適当かと思います。長さは送風時のことを考えると1m以上は必要です。
    (この吹き込み口はなるべく目立たないように、クジラの脇腹あたりに取り付けました。また、筒の径を扇風機サイズにしたので、その筒を通って人が中に入ることができました。これは意外な面白さがありました。加えて、中から補修ができるといった利点も見つかりました。)

  • すべての作業は床のつるつるしたところで行ってください。(ザラザラ面にポリを敷き、上を歩くと細かいキズがつき、それを補修するためのセロテープの重さが致命傷になります。)
  • セロテープはあくまで(融点が高いことを利用するだけの)セロハンとして使います。つまり、“接着”剤としての役割はいりません。補修でのセロテープの使用は最小限に押さえないと、わずかであれ重量に影響します。


ポリエチレンの溶接
「ポリ1」と「ポリ2」を溶接する場合、「ポリ1」「ポリ2」を重ねて、上にセロファンのせ、その上からシーラーをあてます。(今回はセロハンのところを“セロハンテープ”にしました。)
ポリエチレンに直接熱が当たると一瞬にして縮れてしまいます。ですから、シーラーはセロテープ面からは絶対にはみ出さないようにすることが大切です。
セロテープの幅の中で中央に1本の細い筋目が通るような溶接がベストです。(黒のポリエチレンが熱で溶けて透明に見える線のことです) 逆にセロテープまで焼き切るような溶接は熱の加え過ぎです。

浮力・空気の密度・体積・温度
・浮力を計算してみよう!高校生は「化学」のボイルシャルルを使って計算してみよう。(答えは学校の化学の先生に聞いて下さい。)
・最も浮かぶ理想の形状は「球」。
 このバルーンの場合、質量は表面積に比例します。浮力は体積に比例するので、最小の表面積で最大の体積という立体は「球」です。単に、ソーラーバルーンの実験をしたいだけなら「球」をおすすめします。しかし、文化祭となれば少しは意味のある形状を考えなければならないでしょうから、「球」に近いものを考えましょう。(ドラえもんが黒だったら理想的なんですね。)
・できるだけ軽く!
 例えば(半径が2倍になり)質量が4倍になれば、必要な体積は4倍ですみません。(8倍になります)。ですから、厚さ0.0125mmの素材で作った球体を、0.05mmの素材に変えたら、設計上さらに大きな体積が必要になります。成功の鍵は「できるだけ軽く(薄く)、できるだけ大きく」です。

実験として、簡単な風船を作ってみてください。
右図はポリエチレンのゴミ袋です。
普通のゴミ袋(袋状になったまま)で「吹き込み口」付きで図の様な形にセロテープを貼り、溶接し、ドラえもんの頭の様な風船を作ります。吹き込み口からストローで息を吹き込み、ふくらませてみる実験を何度かしておくと、溶接作業の問題点や注意点がよくわかっていいと思います。(実際にゴミ袋でいろんな形の風船を作って遊びました。)