制作ノウハウ特集 (2009.5.5掲載)

立体クラフト「立体顔」(11)にチャレンジ


はじめに

 立体顔の制作方法の質問をたくさんいただきます。いつもお答えしきれない部分があります。先にお断りしておきますが、この作品の「設計図」の製作については(一見パソコンソフトで行っているように思われますが)人の手作業によるところが大きいです。画像処理などを専門に研究している情報系大学や一部の専門学校にある高価な装置とソフトがあれば、できることかも知れませんが、パソコンレベルでは恐らくオートマチックで作れるものはないのではないかと思います。要するに、安易にノウハウの理解だけでは作れない点をご理解していただきたいと思います。
 要するに、絵を描くことが不得意なひとは、イラスト制作ソフトを使えるからといってイラストが作れる訳ではなく、DTMソフトが使えるからといって作曲ができる訳ではない。という例えが一番理解してもらえるかと思います。(今までの質問のお答えで一番説明に苦労したところです)
 中学生や高校生の中にはこの「設計図」を作れるような生徒がいる可能性はあると思います。パソコン部員によるオリジナル作品からもう7、8年経ちますが、部顧問でもある管理人もこのような生徒とはこの間まだ一人しか出会っていません。(芸術系の高校であれば可能性も高くなるかもしれませんし、先生方の中で長けておられる方がいらっしゃるかもしれませんが)クラスの出し物とするときには、なかなかその発掘は難しいものと考えてください。


 福井大学工学部の学生より制作方法のレポートをいただきましたので、以下にご紹介します。

使用するソフト

(株)終作 ペパクラデザイナー 六角大王
  ペパクラデザイナーは最近、2がでたみたいです。
  自分が使ってたのは1だと思います。


準備するもの

  対象者の写真(真正面、真横)
  真正面と真横の写真は対象の顔の大きさが同じになるように撮ると作りやすいです。


設計図の作り方

六角大王を起動します。

まず[表示]−[背景の色]−[顔のマーク]から正面の顔の写真を選択します。


顔の主要線をなぞります。
顔の主要線を正面から描きますが、正面から描いた図はすべてひとつの平面上に描かれます。
それをずらしていきます。


次は背景として横の写真を選択します。
横の写真にあわせて主要線を三次元に起こしていきます。


主要線が出来上がったらそれをつないで面にしていきます。

ところどころ微調整、線や点の追加などをして整えていきます。

逐一、面張りを行いながら線を追加していくと、立体を把握しやすいです。

面張りは[加工]−[すべてに面を張る]で行えます。
面張りは三角形と四角形で囲まれた面を貼り付けます。






最期は頭の部分です。
髪の毛はひとによって形が違うので、難しいです。

大体の形をかたどって作っていくのがいいと思われます。


すべての立体が完成したら最期は元の画像をその立体に貼り付けます。

画像のサイズに合わせた枠を作りそれを作成した立体とつなげます。

塗りつける色を設定する場面で正面からの画像を選択します。

すべての立体を選択して画像を貼り付けようとします。


するとテクスチャをはりなおすかどうか聞かれますので、テクスチャを張りなおすを選択します。

はりつけ方法 平面はりつけ
引き延ばし 引き延ばしてはりつけ
たて 1
よこ 1

を設定してOKを押します。

枠とつなげた線を消して完成となります。
保存して閉じましょう。


ペパクラデザイナーを起動します。
[ファイル]−[開く]から先ほど作成したデータを開きます。
すると作成したファイルが見ることができます。
展開図作成のボタンを押すと作成した図形が展開されます。
展開された図形を印刷して組み立てれば完成です。

展開した図形は拡大縮小することができます。
好みのサイズで印刷できます。
[ファイル]−[ページと印刷の設定]から印刷する用紙サイズを設定できます。

展開した図形は回転、移動などで配置を決めることができます。
上部にあると思われる、ツールボタンで使えます。

展開した図形は、自分の好きなように切り離し、くっつけを行うことができます。
上部にあると思われる、ツールボタンで使えます。


以上が作り方の説明ですが、いきなり顔を作るのはおそらく無理だと思います。
まず簡単な図形を作ってみたりして六角になれると良いと思います。

H.Y.(元芦間高校パソコン部)


工作作業

使用する紙はケント紙程度の厚みは必要かと思います。
厚過ぎると折り返しなどの工作に苦労しますが、あまり薄いとペラペラで立体になりません。
少なくとも坪量で200(g/m2)程度の厚みのプリンタ用紙が必要です。(紙代が結構かかります)



ペパクラデータ


サンプルデータ(sample1.pdo)のダウンロード

データを開くためには「ペパクラビューワー」をダウンロードしてインストールしてください。




これから制作する方へ