滋賀県大津市立日吉中学校文化祭作品

〜We love 日吉〜「日吉の名園」★

 大津市にある日吉中学校の壁画はすばらしい出来栄えでした。学校の自慢の風景でもある中庭のツツジ。「日吉の名園」と題してこの満開のツツジを表現しました。
 絵柄は生徒には秘密にして作業が行われました。文化祭当日の作品の披露は、「除幕式」の形態で行われました。  黒い布で覆われたモザイクアートは、一年生全員の前で(他学年の生徒や先生、保護者の方も見守る中)、カウントダウン後のお披露目となりました。このセレモニーがより一層の感動を呼んだようです。

モザイクアート「日吉の名園」製作記−日吉中学校1年−
 文化祭で何をしようか。そろそろネタ切れで、何かヒントが得られればと、「ネタ集」を開いてみました。他校の作品を見たとき、あまりのすごさに驚きました。写真同様の出来上がりで、人の顔までがはっきり分かるなんて・・・スゴイ! それだけでなく、生徒全員が関われるということ、また、絵柄を秘密にして作業が進められるので、完成時の感動が大変大きいということに魅力を感じました。
 前任校で他の学年が取り組まれた作品も載っていて、その時の充実感・満足感に満ちあふれた生徒や先生方の表情を思い出しました。
 何としても、日吉中学校の生徒にもあの感動を味わってほしい、生徒と一緒に心に残る文化祭を作りたいと強く思いました。しかし、それには守口北高校の先生のお力を借りなければなりません。1学期から問い合わせが相次ぎ、大変忙しくしておられたにもかかわらず、お願いしてしまいました。
 言い出した私自身、不安が一杯でした。
 作品を吊る場所や見る距離を考えると、折り紙はどうしても1.5cm四方にしなければなりません。果たして裁断機でそんなに小さく切れるのか。また、色紙を貼った台紙を見たとき、本当に写真のようになるのか、半信半疑でした。なぜなら、今までに風景を題材にされた学校がなかった(?)ので、細かい部分が表現できるのか。また、風景で生徒が感動してくれるのか、人気キャラクターか映画のポスターなどの方がよかったのでは・・・ということも最後まで気になっていました。
 また、色紙を注文する際に「桃」「灰」といってもいろいろな色があるので、濃すぎたのではないかとか、台紙が厚紙なので、重すぎて吊れないのではないかということも気がかりでした。
 しかし、心配していたことは、すべてクリアできました。出来映えも想像をはるかに越えるものでした。ツツジの花がちゃんと咲いているのです! 校舎の窓が開いているのです! これには、本当に感動しました。
 文化祭前日の夜、より一層感動的なものにしようと除幕式を思いつきました。これは、やってよかったと思っています。除幕の瞬間、「わー」という歓声と共に拍手が起こりました。
 見ていただいた地域の人や保護者の方々の評判もよかったです。夕方にははずしていたのですが、帰宅した子どもから聞き、夜遅くに見に来られた方もありました。また、文化祭の2日目にも見られるものと思っていたのに、はずされていて残念だという保護者の方もたくさんおられました。
 このまま終わらせるのはもったいなく、機会があればまた披露したいと考えています。(今のところ、PTA研修会、地域の文化祭にも展示してほしいと依頼されています)

 最後になりましたが、今回の文化祭は多くの人の協力があったからこそ成功したと思っています。特に守口北高校には心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
(文化祭学年発表担当)

【題 材】
 「日吉の名園」と題し、ツツジが満開の中庭を表現する。
 10色  550×380ピクセル(209,000ピクセル)
【材 料】
 ☆クラフト紙(5mm方眼) 270枚
 ☆折り紙(15cm四方)10色 27束
 ☆布粘着テープ 20個
 ☆のり       42個(班に1個)
 ☆針金 ・ ステンレス物干し竿 2本 ・ 黒布
 ☆梱包用テープ ・ ロープ
※☆印のみ購入・・・約27,000円(クラフト紙が高くつきました・・1枚40円)


生徒の感想
◎私は、実行委員になって、始めはあまり乗り気じゃなかった。でも、最終的にはやってよかったと思う。はじめ巨大モザイクアートをすると聞いたとき、びっくりした。絶対に無理だと思った。しかも、小さい色紙をもらったとき、頭の中が白くなった感じがした。台紙にうまるはずがないし、文化祭までに間に合わないと思った。 めちゃめちゃ頑張って、1枚の台紙に折り紙全部がはれたときは、すごくうれしかった。そして、何ができるのか心配だし、早く見たいと思った。 そして、文化祭の日。初めて見たとき、びっくりした。涙が出そうやった。よかったー。きれい。ありがとう。さいこー。

◎絵の幕をとる瞬間が一番わくわくした。 今まで一人一人が頑張ってきたものが、どんなものなのか、めっちゃ見たくなった。 1番大変だったことは、台紙に色名を書き写す作業です。1つでも間違えると大変なことになるので、集中してやった。 幕を取ったときに、いっせいに「わあーっ」と声がした。 私のやったところが、こんなきれいな一部になったと思うとすごいなと思った。自分たちでこんなきれいなものが作れたなんて、うれしいです。

◎すごくよかったと思う。がんばったかいがあったと思いました。 自分のだけじゃ全然分からなかった絵が、みんなのと合わすと校舎になるなんて、すごいなーと思い感動しました。 あの絵を下敷きか何かにして、思い出に残しておきたいなと思いました。

◎私は幕を下ろしていたので、みんなより後にモザイクアートを見たんだけど、思わず「すごい、すごい」と大声で言っていました。本当に写真みたいで、紙を貼っているときなんて、「こんなんが何になるの?」と思っていたけど、すごくびっくりした。 近くで見ると何かよく分からないのに、遠くから見ると学校の写真で、感動的だった。

◎紙に書いてある色を方眼紙に写すのが大変だった。色紙を貼るとき、何の絵になるのかドキドキしながら貼った。 文化祭の時、出来上がった絵を見てびっくりしました。私は、動物の絵でもできるのかと思っていたのが、学校の庭だった。  みんながやったものが一つになったのを見て感動した。

◎苦労した甲斐があったと思う。 特に、カウントダウンの時には、だいぶドキドキした。この絵はすごい思い出の一つになりました。 来年もこういう感動があるものを作りたいです。

◎私の設計図には、「文字だ!」というものがあったけど、全然何になるのかわからなかった。教えてもらわない方が、どんな絵になるのか楽しみで、ワクワクした。 近くで見ると、ちゃんと1.5cmの正方形の小さな折り紙がクッキリ。 遠くから見ると本当の写真のようにキレイ。ゼッピン。 折り紙を貼るのにちょっとは疲れたけど、できたのを見るとうれしかった。  このモザイクアート最高!! 実行委員になってよかった。その作業も楽しかった。

◎作っているときは、途中でいやになったりしたけど、出来たとき、見たときは最高でした。 は実行委員だったけど、幕を下ろすと、みんなが拍手してくれ、その瞬間これをやってよかったと思いました。

◎何の絵になるのか分からなかったので楽しみだった。見た瞬間、とてもきれいでびっくりした。こんなにきれいになるとは思ってもいなかった。校舎も一色じゃなくて、いろいろな色できれいだったし、緑や赤やいろいろな色できれいだった。  また飾ってほしいと思う。駅からも見えるようにしてほしい。

◎最初に見たときは、本当に自分たちがしたものなのか疑ってしまった。でも、本当にそれくらい素晴らしいものだった。 あのわけのわからん絵を256人分つなぎ合わせると、写真のようなモザイクアートができた。カウントダウンの時はドキドキしていた。 このモザイクアートの時の努力と感動をこれからも生かしていきたいと思う。

◎作っているときは、本当にこんなんでちゃんとしたものができるのかと思っていたし、大変だったし、いろいろなことを思いながらやっていた。でも、完成されたものを見ていると心が洗われた。 つなげる前の台紙は、0歳の赤ちゃんが適当に貼ったようなものだったが、つなげるとあんな素晴らしいものになるとは思っていなかった。だけど、1人ではあんなことはできない。先生も含めて、1年生全体が力を合わせて初めて出来る作品だと思う。

◎はじめ何を作っているのかあまり分からなかった。けど、やっていると結構楽しかったけど、すごい雑で「こんなんでいいのか?」と思っていたけど、実際見てみると全 然目立たなくてよかった。 写真みたいでかっこよくて、やってよかったなーと思った。ただ、ずっと秘密にしないで、最初から何になるか教えてほしかった。

◎最初は「こんなめんどくさいことやってられるかー。だれがこんなん考えたんやー。」 と思っていたけど、完成して全部張り合わせたのを見たら、ものすごくびっくりしました。展示を見ながら「ぼくのはどこかなー?」と考えながら見ました。一人でもやらなかったら絶対に絵にならないと思いました。一人一人の努力の結果、あんなすごいものができたんだと思いました。


作品データ

1999年10月1日発表
滋賀県大津市立日吉中学校1年
モザイク壁画
550×380(ピクセル)×10(色)
 → 滋賀県大津市立日吉中学校のホームページへ