香川県立高松西高等学校文化祭作品

★千と千尋の神隠し ・ 夢見る象 ・ 銀河鉄道999★


 高松西高校の2年1組はクラス展示として、喫茶&休憩室を担当することになりました。その休憩室の装飾として、爪楊枝壁画に挑戦することになりました。このサイトを熟読し、製図の作成方法や作業の手順を参考にさせてもらいました。
 3枚の壁画の図案は、文化祭テーマ「あ・ゆ・み〜愛・夢・未来」に沿うようにと「愛」「夢」「未来」をイメージできる図をクラスの生徒達が選びました。壁画の額縁部分や楊枝の色付も工夫しました。
 生徒たちは、はじめは「大変そうだ」と思っていたようですが、一人一人がA4サイズの担当を受け持ち、全員で力を合わせて3枚の壁画が完成したときには感動の渦がまきおこり達成感に満たされました。作業は地道で大変ですけれど、出来上がった作品の美しさは素晴らしいものでした。担任二人を含む39人で10万本超の楊枝を分担したことになります。

【作成について】
 本校では部活動入部率が9割を超え、夏休みといえどなかなか全員がそろっての文化祭準備が厳しかったことから、それぞれの分担を明確化して学校でも家でもそれぞれの都合に合わせて作業できること、に重きをおいた。
(1)発泡スチロールはA4サイズにカットしたものを発注(ネットで業者を選定)。
(2)図案はPCで製作ソフトを用い、スチロールに合うようにサイズを合わせて人数分を準備(1枚の壁画がA4サイズ12枚+タイトル1枚で13枚)。教室に展示するため5ミリ間隔で作成することに決定。
(3)並行して爪楊枝の色付作業を行う。
着色は文化祭委員3人が中心となり行った。どんな方法が有効で効率的か試行錯誤の末、行きついたのが以下の方法である。
  @ 10万本余の楊枝を100本ずつの束にして輪ゴムでとめる。
  A バケツにポスターカラーを薄めたものを用意、束ごとに手で染めて行った。
  B 屋外にビニールシートを敷き1日以上乾燥させる。
(4)各自にスチロールと図案とそれぞれに必要な楊枝を持ち帰ってもらい締切を設定して作業依頼。
(5)文化祭数日前に貼り合わせと額の製作にとりかかる。額は土台と同じスチロールで数人の精鋭部隊が何日もかけてカットし貼り合わせた。重量があるので壁につるすのではなくたてかけることにする。

【改善点および作成しての感想】
(注意点1)
 図案の選び方は作品の出来に大きく影響する。色彩のはっきりとした大きな図案のできばえはかなり完成度が高い(千と千尋)。1番初めにどうしてもこの図案でと決めた「銀河鉄道999」は最後まできちんと図としてできるか心配した。結果としては教室の端からみると「おお〜、ちゃんと見える!」ということで成功したが、どんな図案にするかは熟考しなければならないということが作成段階の初期に判明し最後まで心配の種になった。
(注意点2)
 あとでスチロールを張り合わす手法の場合、どうしても端の1列が張り合わせた隣の1列と隙間があきがちになるため、もう1工夫いると実感した。とくに5ミリ間隔という細かい図の場合は本来なら大きな1枚に指す方が出来上がりの心配が少ないと思う。
(注意点3)
 楊枝の色付は100本束でも十分可能。はじめに100本にしておくことであとの作業がぐっと楽になる。今回の色付は手で楊枝の束を液の中につけるという荒業だが、文化祭委員の男子3人が厭わずこの大変な作業をしてくれたおかげでスムースに製作がすすんだ。ビニール手袋などを用いよく晴れた日に行うとよい。
 ちなみに黒は墨汁が手軽で安価である。100均のポスターカラーもたくさんもちいたが、よく伸びて発色がきれいなのはやはりサ○ラなどの少し高価なものであった。
(注意点4)
 楊枝の刺し方ガイダンスが甘かったのか、いざできあがったそれぞれをもちよるとかなり高低差がでた。もっときっちり確認すべきだった。あるていど修正をくわえたが(これが大変)遠くから見る物なので少々は大丈夫である。

【感想】
 今回の制作にあたり、最もキーとなったのは製図と最後の張り合わせ&額作りであった。この重要な役割を担ってくれた相方の先生のチカラは計り知れない。
 また実際になにからなにまで動いてくれた文化祭委員3人と時間を作っては手伝いに来てくれたクラスのメンバーには本当に感謝です。
 そして何よりよかったのはクラス全員で作り上げられたこと。一人1枚。本当にいい作品ができました。
 製図も楊枝の色付も、楊枝を指すのも、額をつけるのもどれひとつとっても本当に大変な作業でしたが、だからこそすばらしい作品ができ、クラスが一つになれました。

文化祭後に聞こえてきたエピソードより
(1) もちかえった楊枝の白がたりなくて、お母さんが楊枝を白にそめてクラスの子が刺していくという笑えない親子共同作業もあったとか。
(2) 刺したものの全体に刺し方が甘くお父さんにたのんで深く差していくうちに陥没するくらい刺しすぎたケースもありでした。
どうやら大なり小なり家族をまきこんでの大変な作業になったようです。

【最後に】
 本来は喫茶担当で喫茶室の事をしながらの壁画作りだったので、ものすごく大変でしたが、このクラスならそれができる、と見込んだ通り、素晴らしい文化祭になりました(さすがは2年1組)。


作品データ

2011年9月9・10日発表
香川県立高松西高等学校2年1組
爪楊枝点描画
270×240(ピクセル)×8(色)
270×240(ピクセル)×8(色)
270×240(ピクセル)×8(色)