兵庫県立播磨南高等学校文化祭「潮風祭」作品

★「落ち穂拾い」★

 播磨南高校の校舎にミレーの名画が飾られました。B4の上質紙に3p四方の色紙を8×11枚、生徒一人一人が力を合わせて作りあげました。
 屋上からつるした瞬間、下にいたクラスの女子から歓声が上がりました。初めて遠くから見たときの興奮は、忘れられないものになったということです。

製作風景より
 最初は「設計係」に立候補した数名の生徒らが4日ほどかけて、情報室のパソコンで絵を解析し、その後何色の紙を貼り付けるのかを書き込んだマス目を、1200枚以上のB4用紙にどんどん印刷していきました。
 3センチ四方の色とりどりの小さな紙の束と40枚近いマス目入りのB4紙を「一人30〜40枚がノルマね」と渡されたときには、クラスがどよめいていました。「落ち穂拾いのモザイク画」を作る、ということは事前のホームルームを使って決めたことだったので、皆予めわかってはいたのですが、家や放課後の学校で紙を貼る作業を延々やっている最中は、自分が何をどう作っているか、さすがにさっぱりわからなかったようです。
 文化祭の前日、教室の床を目一杯使って持ち寄った紙を貼り合わせ、床においた絵をちょっと離れて見てみたりしていましたが、誰一人としてこれが絵になっているとは思えなかったようです。その後結局、天気も良さそうだということで、文化祭前日のうちに屋上から吊り下げようということになったのですが、直前にはみんなすっかり弱気になっていて「文化祭当日は見に来た人たちに、『あの壁画はこういう絵を表現したつもりでした』というコメントと落ち穂拾いの原画の写真を載せた“言いわけビラ”をまこうか」などと、冗談とも本気ともつかない口調で話していました。
 そんな状態だっただけに、仕上がった絵を初めて反対側の校舎や、下から眺めたときはみんな、驚きと感激もひとしおだったようです。


生徒の感想
 ・作っているときは絶対に失敗していると思っていた。吊して遠くから眺めてみると、ちゃんと絵に見えたのでとても感動した。
 ・パソコンで絵を解析すると色が判別できた。その時はすごいと思った。そして、吊した時にしっかりと絵になっていたのでよかった。


作品データ

2001年6月9日発表
兵庫県立播磨南高等学校2年2組
モザイク壁画
213×288(ピクセル)×8(色)